こんにちは、マサです。
これからゴルフ場で働こうと思っている中で、こんな疑問はありませんか?
・マスター室って何?
・どんな仕事をするの?
・ゴルフ未経験でもできるの?
僕もゴルフ場で働くまで、「キャディマスター室」なんてのがあることすら知りませんでした。
入社初日、「ここがマスター室です」って案内された時に、「ここはいちばん偉い方(マスター)がいる場所なんですか?」って聞いたくらいです。
※キャディマスター室は、「キャディマスターがいる部屋」ということです
マスター室の仕事はかなり重要ですので、知っておいて損はありません。
✔記事の信頼性
- 現役のゴルフワーカー
- キャディマスター室の仕事もこなす営業職である
✔記事を読めば得られること
- 仕事内容を理解できる
- キャディマスター室の重要性
- ゴルフ未経験でも仕事ができるという自信になる
それでは、キャディマスター室について詳しく解説していきましょう。
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キャディマスター室とは?
キャディマスター室は、3つのポジションで構成されています。
●マスター室
➡ゴルフ場のコース進行をコントロールするポジション
●キャディ
➡お客様とともにプレー同行し、プレーのサポートをします
●ポーター
➡キャディバッグの搬入出を行う仕事です
キャディのいないゴルフ場では「マスター室」と呼びます。
あるいは、「スタート室」とも言いますが、どちらも同じ意味です。
キャディの手配、コース上での落とし物やカート事故、横暴なプレーをされる方への注意など、コースで起こることはすべてキャディマスター室が対応します。
例えるなら、「コースのなんでも屋」という存在ですね。
キャディマスター室はコースの出発、終点ですから、お客様との接する時間は長いです。
時には、進行やマナーなどで苦言を言われることもありますが、お客様の言葉を真摯に受け止める心がけも必要になります。
キャディマスター室|10の仕事
キャディマスター室には【10の仕事】があります。
- ティーシートの確認と準備
- ポーター
- 「カート利用同意書」の確認
- ゴルフカートの準備
- キャディ
- プレー進行のサポート
- スコア集計
- ホールアウト後のクラブ清掃と確認
- 片付け
「仕事を10も覚えるの!?」
と思ったかもしれませんが、けっこうルーティン仕事なのですぐに慣れます。
それでは、ひとつずつ仕事の内容を解説していきましょう。
ティーシートの確認と準備
ゴルフ場でのプレー進行は分刻み。
7~8分間隔でプレーヤーは出発していきます。
そうしたタイムリーな進行表をゴルフ場では「ティーシート」と呼び、ティーシートに沿って当日のプレーが進行していきます。
当日のティーシートを確認し、進行にムリはないか、不備はないかなどのチェックをし、スタートしやすいようにカートを配置させる仕事です。
ポーター
ポーターは前述したようにキャディバッグやボストンバッグなどの荷物の積み込み・下ろしを行う仕事です。
お客様がゴルフ場の入口で預けたキャディバッグは、プレー前になるとカートへ積み込まれている。
その仕事をポーターがしています。
入口のポーターからカート前のポーターまではキャリーカートで運搬するので重い荷物を持って運ぶワケではありません。
ちなみに、ゴルフ場の入口に立っているポーターを「玄関ポーター」と呼びます。
「カート利用同意書」の確認
お客様がコースへ出発される前には、「カート利用同意書」にプレーヤー全員分のサインが必要です。
ゴルフカートを運転するには車(普通自動車)と同じで、運転免許を持っていないとカート走行できません。
つまり、「ゴルフカートは危険な乗り物」なんです。
だから、「カート利用同意書」に同意しない限り、コースに出すことを認められません。
同意書の内容は、
- 18歳未満は運転できない
- 安全運転での走行
- 酩酊(めいてい)した状態では運転できない
- 事故発生の責任
- 危険な場所の走行はできない(斜面や池など)
上記のことに同意した上で、快適なプレーができるよう出発をお見送りします。
ゴルフカートの準備
ラウンド出発前には、ゴルフカートが正常な状態であることをチェックします。
チェックする内容は、大まかに次のようなものです。
ピンポジ案内
コースグリーン上のカップの位置をピンポジション(ピンポジと略されることが多いです)と言います。
ナビ付きのゴルフカートであればピンポジの設定、ナビがカートに付いていなければプリントしたピンポジ情報を掲示したりします。
カートナビの電源ON
ゴルフカートのナビ電源を入れ、正常に稼働していることをチェックします。
もし、ナビに不具合があればカートをすぐに交換して、準備を最優先にして対応してください。
朝は、とにかく忙しいですからね。
タバコの吸い殻チェック
ゴルフカートにはタバコの吸い殻入れが用意されています。
毎日、カート利用後には吸い殻を捨て入れ物をキレイにしているとはいえ、処理をし忘れている可能性もゼロではありません。
ダブルチェックの意味でも、朝のゴルフカート準備時に吸い殻入れがキレイかどうかをチェックします。
「目土」用の土を準備する
ゴルフボールを打った際に、コース上の芝をえぐってしまうことがよくあります。
「目土(めつち)」とは、えぐれて芝がはがれた部分(=ディボット)に土を入れて、芝を再生するための作業です。
プレー中にディボットを発生させてしまったお客様自身で目土をするのがマナーですので、ゴルフカートに目土用の土を乗せておきます。
※コース上にも目土用と土を設置はしてあります
ゴルフクラブ用の水を準備する
ゴルフボールをショットする場所によってはクラブのヘッド部分に汚れがつきます。
例えば、バンカーやラフ、雨の日の土汚れなどです。
ゴルフカートに水をつんでおけば、ゴルフクラブのヘッドが汚れてもすぐ洗えます。
ゴルフはちょっとした汚れでもスコアに影響が出る繊細なスポーツですからね。
キャディ
キャディは、お客様のプレーに同行し、プレー進行や良いスコアがでるようにサポートする仕事です。
お客様の打ったボールを確認し、コース攻略やクラブ選びの助言など、ラウンド中は多くの要望にこたえなければなりません。
とはいえ、初めてお会いするお客様と同行することも多いですから、場の雰囲気を盛り上げることも大事な仕事になってきます。
プレー進行のサポート
安全でスムーズな進行はゴルフ場にとって、もっとも大切なことなんです。
その進行をサポートするのが、キャディマスター室の仕事。
サポートといっても、いろんなカタチのサポートがあります。
カートナビでの警告
進行が遅れている場合や危険走行、緊急避難など、GPSナビ上で一斉にカートへ案内を送ることができます。
特に、進行が遅れているお客様へはナビ上での警告だけではなく、ナビ電話で進行の遅れを改善してもらうよう指導することだってあります。
GPSナビでないカートであれば、直接お客様へ伝えに行くこと。
また緊急時にはアナウンス放送をして、ゴルフ場全体に聞こえるように知らせます。
マーシャル
ゴルフ場での「マーシャル」とは、進行の「潤滑油」的な存在としての役目のことです。
前提としてゴルフの進行で、1組の間隔はだいたい7~8分。
例えば、前の組との間隔が10分以上も開いてしまうと後続の組がどんどん遅くなっていきます。
高速道路の渋滞がまさにそうですね。
そうした場合に、プレーの進行をスムーズにするため遅れているお客様のところへ出向き、進行のサポートをします。
「遅れている」という言い回しをやんわりと伝え、カート運転を代わったり、ボールの行方を案内します。
つまり、一次的にキャディの代わりをすることです。
ちなみに、進行が渋滞しやすい箇所で、キャディのように進行を促すことを「マーシャルキャディ」と呼びます。
なので、キャディが付くお客様の場合には、マーシャルをする必要はありません。
利用販売業務
キャディマスター室でも、販売する商品はあります。
例えば、練習場で使用するコイン、レンタルクラブ、レンタルシューズなどの利用販売です。
ゴルフ場によってはフロントで対応しているところもありますが、一般的にはキャディマスター室でやり取りをします。
レンタルクラブやレンタルシューズでは、お客様の利き腕や足のサイズをうかがい、フィッティングすることも仕事だと覚えておきましょう。
※練習場では、自動販売機のようにコイン投入でボールが出てきます
スコア集計
「スコア」とは、自分の打数合計を集計方法をもとに計算した後の打数。
そのスコアの出し方にもいろんなパターンがあります。
よく使用される代表的なスコア集計方法を紹介しましょう。
ダブルペリア方式(または、新ペリア)
全18ホールある中で、あらかじめランダムに決めた12ホールのスコアから自分のハンディキャップを計算します。
ハンディキャップの計算方法は、あらかじめ決めた12ホールのスコア×1.5-72)×0.8
で算出。
そして、グロスからハンディキャップを引いたものが「ネット」と呼ばれ、ネットのスコアで順位が決まる集計方法です。
ダブルペリア方式のことを、「新ペリア」とも言います。
ペリア方式(シングルペリアとも呼ばれます)
全18ホールある中で、6ホールのスコアから自分のハンディキャップを計算する方式。
つまり、ダブルペリアで指定した12ホールの半分(6ホール)なので、シングルペリアなんです。
あとはダブルペリアで説明した通りに計算するとネットスコアが算出されます。
スクラッチ
ハンディキャップなしで、全18ホールを純粋な打数でスコア集計したものです。
つまり、小細工なしのガチ勝負ですね。
ホールアウト後のクラブ清掃と確認
「ホールアウト」とは、お客様のゴルフラウンドがすべて終わり、コース上にはいない状態のことです。
お客様がホールアウトし、キャディマスター室に帰ってきた際に、お客様のゴルフクラブをすべて拭き上げます。
そしてクラブの本数やコース上に忘れ物がないかを確認して終了。
あとは、ポーターがお客様のキャディバッグを玄関まで運びます。
お客様は次々にホールアウトしてくるので、作業にはスピーディーさを必要とします。
焦ってキャディバッグを倒したり、クラブがぜんぜんキレイに拭けてなかったりでクレームになることも多いです。
仕事に慣れてないうちは、多少ゆっくりでもいいので、確実にこなしていけば大丈夫。
ちなみに、クラブを拭く箇所はボールが当たるヘッド部分だけで大丈夫です。
片付け
キャディマスター室で片付け作業をする場所は、大まかに次の5つの場所です。
どのような片付けをするのかも説明しながら紹介します。
使用したゴルフカート
カートをカンタンに洗浄します。
その際に、付着した芝を落としたり傷やヘコみがないかもチェックします。
ゴルフカートの充電(または、ガソリン補充)
ゴルフカートが「ガソリン式」か「バッテリー式」かによりますが、現在はバッテリー式が主流になっています。
使用したカートは必ず充電してください。
もし、ガソリン式ならガソリンを補充しておきましょう。
ちなみに、バッテリー式カートを充電し忘れたとしても心配いりません。
たいていの場合、無充電でも3日ほどは持ちます。
練習場の清掃
練習場ではボールが散乱していたり、コインの回収もしなければなりません。
翌日のお客様に向けて、気持ちよく利用してもらえるようにキレイに片付けすることを心掛けてください。
コースのトイレ清掃・補充・吸い殻回収
コースの吸い殻は回収し、トイレはすべて掃除します。
便器磨きやトイレットペーパー、ペーパータオルの補充、ゴミ回収を行っていきます。
さらに、水がちゃんと流れるか、故障はないかもチェックすることが大事です。
キャディマスター室周りの清掃
キャディマスター室はお客様が必ず集まる場所です。
コミや芝、落ち葉などが散乱していては、ゴルフ場の質も疑われます。
日々クリーンな状態に保つように頑張っていけば、お客様の印象もグッと良くなりますよ。
ゴルフ未経験でもキャディマスター室の仕事はできるの?
結論からいうと、ゴルフ未経験でも問題なく仕事はできます。
ゴルフの知識があるにこしたことはないですが、仕事はルーティーン的な要素が多いからです。
なので、だいたいの流れは決まっていますから、繰り返し作業していけば仕事は覚えられます。
例えば、お客様の出発前にすること、ターンの時にすること、ホールアウトしたらすること、片付けなど、だれでも仕事を円滑にすすめられるようある程度マニュアル化されています。
もし、ゴルフで分からないことを聞かれても、周りのスタッフが助けてくれるので心配いりませんよ。
ただ、部署の責任者であるキャディマスターは絶対にゴルフ力がなければなりません。
コース上の問題解決、競技会の進行など、あらゆる面でゴルフ経験や知識は必要になります。
いずれキャディマスターになりたいと思っている方は、今からでもゴルフ力を鍛えておいた方がいいですね。
詳しくは、こちらの記事を読んでください。
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また、ゴルフ力をつけたい!という方は下記の記事が役に立つと思います。
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まとめ
今回の記事は、以上です。
キャディマスター室はゴルフプレーの始まりであり、終わりの場所でもあります。
そして、お客様がゴルフをする上での安全、進行、サポートをする部署ですから、ゴルフ場にとってなくてはならない仕事です。
ゴルフコースにかかわる仕事なので、ゴルフの経験が必要と思われがちですが、ゴルフ経験がまったくなくても仕事はこなしていけるので、心配いりません。
ですが、将来キャディマスターとなってゴルフ場の中核を担っていきたい方はゴルフ力を磨いていくことをオススメします。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。